OPULENCE VOL.2 LIVE REPORT

2023年TOKYOで誕生!

グローバルなドラァグクイーンたちによる圧巻のエンターテインメントショー

「OPULENCE (オピュランス)」

開幕

2023年5月31日。東京・新宿の新名所、東急歌舞伎町タワーにあるライブホールZepp Shinjuku (TOKYO)で、日本最大級のドラァグショー「OPULENCE (オピュランス)」の幕が切って落とされた。

 

1月以来、第2回目の開催となった今回。ステージを華々しく彩ったインターナショナルクイーンは、Raja (ラジャ)、Denali Foxx (デナリ・フォックス)、Pangina Heals (パンジャイナ・ヒールズ) の3名。アメリカドラァグ界のリビングレジェンド、ル・ポールがホスト兼主審査員を務める大人気リアリティショー『RuPaul's Drag Race (ル・ポールのドラァグ・レース)』(Netflix/WOW PresentsPlus)で、世界的な知名度を誇る”Ru-girls”(『RPDR』出身のドラァグクイーン)たちだ。

 

キャッチーでダンサブルな音楽、豪華な音響と照明、VJによる映像演出が一体となったステージで、独創的な衣装とメイクで着飾ったドラァグクイーンたちが魅せるパワフルなダンスやリップシンク。

 

水曜の夜にもかかわらず、この夢の祭典に集まったオーディエンスは約1,500人に達した。人種も世代もジェンダーも実にカラフルな観客たちは思い思いのファッションに身を包み、会場をハイテンションなフロアへと変えていった。

スペクタルなステージで放たれた圧巻のパフォーマンスアート「OPULENCEVolume2」の熱気を帯びたライブの様子をレポート!



ショー開幕直前のタイミングで行われたのは、ドラァグイベントではおなじみの「Meet & Greet」。このプレミアムチケットを手にしたファンだけが体験できるクイーンたちとの交流会。笑いあり、感動ありのハートウォーミングな光景が繰り広げられた。

 

黒人系アーティストのエミー賞史上最多受賞を樹立したドラァグクイーンの大人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』を通して、クイーンたちのファンとなった彼ら。番組が映し出す、個性と美を磨き合うバトル、スターダムにのし上がるための試練や葛藤、心に響く名言の数々…クイーンたちの人となり、そしてドラァグやクィアのカルチャーに魅せられたからこそ、一様に深いリスペクトを抱いていた。

 

ドラァグクイーンたちには魔力がある…。そう思わされるほどに、だれもがその底しれない魅力に触れてみたくなるのだ。

PANGINA

いよいよステージが開幕。観客のボルテージが高まるのと同時に満を持して登場したのは、タイを代表するクイーン、

パンジャイナ・ヒールズ。

ダイヤモンドの輝きを思わせるシルバーのグリッタードレスをゴージャスにまとい、パンジャイナのお家芸であるマライア・キャリーの「I Wish You Knew」「Fantasy」で見事なリップシンクを披露した。

スクリーンに映し出されたのはマンハッタンの摩天楼。ゴールドに煌めく背景グラフィックとのコントラストが美しい。

ヘアスタイルからメイクアップ、ジェスチャー、風演出に至るまで、マライアに寄せ切ったパフォーマンスで会場は歓声で包み込まれた。

中盤、ステージを下りたパンジャイナが向かった先はオールスタンディングの客席フロア。どよめきが起こると、そこは即興の花道に。モーセの十戒の海割さながら、観客とハイタッチや握手を交わしながら優雅にパフォーマンスを続ける。

限られた時間の中で観客はハートを鷲掴みにされ、その華やかさに心酔した。


クィアのカルチャーが影響を与えたマドンナの名曲「Vogue」が流れると会場のテンションは急上昇。

ジャンポール・ゴルチエによる伝説的な衣装、コーンブラのレオタードにインスパイアされたコスチュームをまとい、

ヴォーギングダンスでオマージュを捧げた。


パンジャイナ最後の演目は、レディー・ガガやリアーナなど、ユニバーサルディーバたちの名曲リミックス。スクリーンに降る雨とともに始まった、レディー・ガガとアリアナ・グランデのデュエット「Rain on Me」では、パンジャイナがレディー・ガガに、TOKYOクイーンのVera Strondh(ヴェラ・ストロンジュ)がアリアナとなってコラボレーション。

タイと日本のクイーンの熱いスピリットが共鳴するドラマティックなダンスで魅了した。

DENALI

続いては、日本のゴーゴーボーイズと共にステージに上がったアイスクイーンこと、デナリ。全米フィギュアスケート選手権で

2度の金メダル獲得経験をもつ元フィギュアスケーターだ。

楽曲は、話題のK-POPガールズグループ、NewJeansの「Hype Boy」「OMG」「Ditto」。鮮やかなグリーンヘアに、うさ耳がついたピンクのニットキャップを合わせたジャンプスーツファッションで、キュートさとダイナミックさが共存したヒップホップダンスを披露。鍛え抜かれた肉体美から繰り出されるリズミカルな動きで会場を沸かせた。


極楽鳥のような色鮮やかなフェザーコスチュームと真紅のピンヒールで、クリスタル・ウォーターズのダンスポップ・クラシックの代表曲「100% Pure Love」に合わせてパフォーム。ポジティブなミュージックにのせたソロダンスで魅了し、ダイナミックなスプリット(前後開脚)で締めたラストに歓声が上がった。

ラストステージもグリーンの鮮やかなコスチュームを貫いて登場したデナリ。ギャル感満載のフラッフィーなルーズソックスを合わせた超ミニ丈のビスチェドレスで、TWICEの「Talk that Talk」「FANCY」「Feel Special」のグルーヴにのせて軽やかにダンシング。アイドルのような眩しさで、ステージ上から”KAWAII”スピリットを振りまいていた。

RAJA

『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン3の覇者、ラジャ。有名なセレブリティを手掛けるトップメイクアップアーティストでもあるラジャは、類まれなセンスもつ美の体現者。往年の銀幕女優を思わせるエレガントな佇まいと美しい所作から生まれる豪華絢爛なパフォーマンスはいつも注目の的だ。メタリックゴールドのヘッドピースとボリュームドレスを長身の美しいスタイルで着こなす姿は神々しく、ブレナ・ウィテカーのR&Bヒットナンバー「Black and Gold」をリップシンクで威風堂々と歌い上げた。品格の漂うタイムレスな美の感性で会場を包み込んだ。

80’S風のパワードレッシングなゴールドスパンコールのミニドレスで登場。選曲は、バーバラ・タッカーのハウスダンスの名曲「Beautiful People」。ラジャ出演のファッショナブルなオリジナル映像がスクリーンに映し出される中、ランウェイさながらの優雅なウォーキングダンスを披露した。

ラジャのラストパフォーマンスは、ドイツ出身のシンガーSabine Součekの「I've Seen That Face Before」にのせて。エレガントな風格で着こなした衣装は、ハットを小粋にあしらったマスキュリンエレガントなパンツルック。ブルーとイエローのカラーリングが舞台映えする衣装で、会場をしっとりと大人のムードで満たした。

TOKYO QUEENS & BOYS

Sasha B Savannah

Okini

Sera Tonin

Kaguya

Vera Strondh

3名のインターナショナルクイーンと共に、TOKYOベースの個性豊かなハイパフォーマーたちも喝采を浴びた。

日本のビヨンセことSasha B Savannah(サーシャ・B・サバンナ)、Z世代の注目クイーンOkini(オキニ)、妖艶なステージに引き込まれるSera Tonin(セラ・トニン)、セーラームーンからリアーナに変身したKaguya(カグヤ)、キレッキレのパワフルダンスで魅せたVera Strondh(ヴェラ・ストロンジュ)の5名の多国籍クイーン。

そして、多様性に富んだプロダンサー、DJ、MCも、高度なテクニック満載のエンパワリングなステージ構成で「OPULENCE Volume2」を大いに盛り上げた。


LIVE Q&A SESSION

イベントが中盤に差し掛かった頃、イベント司会を務めるLabianna Joroe(ラビアナ・ジョロー)とインターナショナルクイーンたちのトークセッションへ。

ラビアナの簡潔かつウィットに富んだ同時通訳(英語⇔日本語)で、インターナショナルな会場が一体となって楽しめる時間に。

 

ラビアナ:あなたにとって『オピュランス』とは?

 

デナリ:「どんな国かとかどんな言葉かとかに関わらず、集まって、美しくあること、クィアであることを祝福できること、それがオピュランス!」

 

ラジャ:「オピュランスといえば、パリ、『夜は眠らない』という映画から取ってるんだと思いますが、そこに「オピュランス、私は全てを持っている」という台詞があります。私にとってのオピュランスは、そのセリフの通り、I OWN EVERYTHING、自分自身をしっかりと自分のものにして、正真正銘、本当の自分で常にあり続けるということ、それがまさにオピュランスってことなんじゃないかと思います。以上よ!」

  

パンジャイナ:

「オピュランスは本来、お金や物理的にリッチであることと結びつけられると思うけど、自分にとっては、どれだけ幸せであるかどうかで豊かになれると思っているわ。今日、私たちが今ステージの上に立っていて、私たちのパフォーマンスを披露できること、友情や本当の家族のような繋がりを作れるということ、そして本当の自分でいられるということ、それが本物の幸せで、オピュランスなんだと思う」


FINALE

盛大なフィナーレで最高潮を迎えると、「OPULENCE Volume3」が12月1日に開催されると発表があり、会場は歓喜のムードに包まれた。

この冬に再びワールドクラスのクイーンが来日し、TOKYOクイーンとの熱い競演をお届けする。


「OPULENCE Volume3」

開催日時 2023年12月01日 (金) 19:00 - 終演時間未定

会場  Zepp Shinjuku (TOKYO)

東京都新宿区歌舞伎町一丁目29番1号

  Zepp Shinjuku Website